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演劇生活しちゃってます。Miyuki's Blog

アラカン初心者が「アラカン!」をみて

テアトル・エコーの「アラカン!」を観て、あまりにも自分とリンクするところがあったので。

ストーリーは

「還暦になりきれないオトナたちへ」

文学座、俳優座、民藝と並び“新劇四天王”と呼ばれる大手老舗劇団・明星が、アラカン世代(60歳前後)を対象に、シニア部の養成所を立ち上げた。集まったアラカン男女は、こともあろうに明星の財産演目である「オセロー」をやりたいと言い出した。大切な演目を踏み荒らされることが我慢ならない劇団側と、青春の夢を取り戻そうとやる気満々のアラカンたち。
交わるはずのなかったそれぞれの人生が「オセロー」でぶつかり合い、炸裂する。果たして、アラカン版「オセロー」は完成するのか、しないのか…。

*アラカン(arakan)
1)仏教における阿羅漢(羅漢)のこと。
2)日本の剣劇俳優・嵐寛寿郎の愛称。
3)「Around還暦(アラウンドかんれき)」の略。還暦(60歳)前後の世代を指す言葉。また、還暦という自覚を持たぬ者を揶揄して使う言葉。<類語>「アラフォー(40歳前後)」「アラサー(30歳前後)」
4)テアトル・エコーが2011年11月に初演する作品名。

(以上劇団のサイトより引用)

お芝居自体は役者さんたちはみなさんはまり役で素晴らしくホンもおもしろく2時間半をしっかり楽しませていただきました。



まず「アラカン」という言葉ですが、アラサーとかアラフォーとか、まぁ一時的な流行り言葉のひとつだと思いますが、ナントカ世代とかなんでもひとくくりにするのは、言葉としては面白いなとは思いつつちょっと心情的にはひっかかったりします。基本的にはひとそれぞれって思ってるから。

それはともかく、この舞台のチケットに「アラカン割引」というのがありまして、それが「55歳から65歳」なんです。ほにゃ?私も「アラカン」の仲間入りしたってことなのね。客席の年齢層も高めだったかな。

某大手老舗劇団がシニア部の養成所を立ち上げるのは経済難をなんとか立て直そうということなのですが、このあたりはここ数年のいわゆるシニア演劇ばやりをとりあげていて冒頭の映像やシニアたちはどこかで見たことがありそうなくらいでした。

シニアたちは第二の人生とばかりに大はしゃぎで演劇に取り組み、自分たちの領域に踏み込まれた劇団側は忸怩たる思いを隠せない。

このあたり、今まであまり正面きって描かれたものを見たことがなかったので興味深く思いました。実際にそういう場面に居あわせたり感じたりしたこともあり、若いころから苦労してそれこそ命がけで演劇に取り組んできたプロの演劇関係者のみなさんはぽっとわいてきたようないわゆるシニア演劇ばやりをどう思っているのかなって。

それからシェイクスピアの「オセロー」を1時間に書き変えてラストも変えちゃうというところも、ちょうどついこの間「から騒ぎ」を1時間弱に書き変えて上演するということにチャレンジしていたので、同じようなカットのしかたに笑えました。「から騒ぎ」は「オセロー」のコメディ版とも言われているそうで特に「野田版」でしたのでオセローの台詞がふんだんに出て来るのも楽しかったです。看板女優役の南風佳子さんがとても颯爽とイアーゴーを演じてらして惚れぼれしました。


当日のプログラムの中で演出の永井寛孝さんが
「趣味・特技・・・演劇」って言えたらいいな・・・?
と書かれています。
「でも芝居を生業にしているものには、洒落ならともかくまともには書けません。でも書けたらいいなあと思います。」とも。


もちろんプロの方がたはお仕事でなさっているのですから当然そうでしょう。

でも、わたしもアンケートや履歴書の「趣味・特技」欄に「演劇」とは書けません。
「趣味」と書いたとたんに甘えが出そうだし、甘える気もない。(100%言いきれないのはまだ甘いと自覚ありますが)
で、じゃあ、何なの?と聞かれていつも困ります。
経済的にはまったくマイナスのみだから仕事とは言えない。(でも、演劇だけで食べてる人なんてほんのひとにぎりだよね)

さらに永井さんは
「演劇に対する距離感も温度もさまざまな人たちがプロの演劇人と関わるとき・・・。」
とも書かれていますが、この「演劇に対する距離感と温度差」は人生の後半から演劇を始めた人たちの中にも当然かなりあると思うんですよね。だからひとくくりに「シニア演劇」と呼ばれるのも好きじゃない。

楽塾は養成所じゃないから「ハーヴェスト・シアター」とは違う。


まだ自分でも「なんでかなぁ?」「どうすりゃいいんだろ?」と思うことはあるんだけど、

結局のところ、
いいんじゃないの、だれがやったって、演劇。
好きなら続ける。イヤならやめる。
誰も困らない。(ん~?下手なやつが演劇界に居るのは迷惑だから消えろ、と言われたことはあるな。その時は演劇始めたばっかりですごいショックだったけど、でも、演劇って許可制なの?上手い人しかやっちゃいけないの、演劇?)
だってさ、すっごく上手い人たちが演じてても面白くないことはあるじゃない?
下手なことはわかってるけど、でも感動することだってあるじゃない?

楽塾では「上手い下手じゃない」ってよく言われる。
理屈じゃなくて演劇することの楽しさや厳しさみたいなものが舞台を創っていく上で見えてくる。

私にはまだまだ見えていないもの聞こえていないものつかんでいないものがたくさんあるからこんなふうにときどきぐだぐだ考えちゃうんだけど、多分これからもあ~なんてダメなんだあたし、とか言いながら演劇続けるんだろうな。案外もっとぽ~んとからっと楽しめばいいだけなのかもしれないな。

稽古が始まればこんなこと言ってる余裕もないんだけどね、幸いなことに。


あら?アラカン!からあっちこっち行っちゃったわ。
こんなふうにいろいろ考えさせてくれるのも演劇のいいところだし、
私もまたがんばろう!って思わせてくれるのも演劇だわ。


この日アラカン!の次に見た劇団6番シードの「ザ・ボイスアクター」もまったく違うテイストだけどスピード感満載の緊張感のみなぎった舞台でした。
なにより眼の前で生身の人間が汗や涙や鼻水たらしながら必死で何かやってるのを見る、っていう行為はやっぱり見ているほうに何かが起きるよね。
でまぁ、そんなふうに観ているうちに自分もやりたくなったわけです。





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by sk_miyuki | 2011-11-21 03:07 | 観劇 | Trackback | Comments(0)