NTL:『フランケンシュタイン』2バージョン

「フランケンシュタイン」の2バージョンとも観られました。
とにかくよかった!
最初に観たカンバーバッチが博士のバージョンでジョニー・リー・ミラーのcreation(「怪物」と訳したくない・・・)があまりに衝撃的でした。カンバーバッチがcreationの時もすばらしいですが、私はカンバーバッチが博士の役の時のほうが好みでした。科学にとりつかれ神になりたかった人間の狂気が静かににじんでいて。ジョニー・リー・ミラーのcreation役はかすれた声がぴったりで生まれたくないのに生みだされた悲哀や怒りがあふれていました。単語の発音の仕方もいかにも人間とは違う発声。彼が博士のバージョンは人間役に違和感を感じたほどです。

それにしてもですね、この役を二人が交代で演じるって・・・どれだけものすごいんですか。博士とcreationは合わせ鏡のような存在で両者がお互いに影響しあって・・・とメイキング映像で演出家が語っていますが。
creationの登場シーンでは(全編通じてですが)役者の肉体っていうのはもうすごいな、としか言いようがなくすごい。生身の身体の持つ凄みを感じました。どれだけ研究し鍛錬したらあんな動きができるんだ。

1818年発表の原作を書いたメアリー・シェリーは18〜19歳だったそうな。
恐るべし。

この話、今だからこそ通じることが多くあって
特に創ってはいけないものを創りだしてしまった人間
自分が創ってしまったものをどうすることもできない(コントロールできない)人間と望まない命を吹き込まれてしまったcreationの関係がどうしても、現代の閉塞的状況を思わせられる。
creationがどんなに残酷なことをしても責めることができない。
人間の愚かさに暗澹たる気持ちになる。でも憎めない。

differentなものを受け入れられない人間社会。
命をもコントロールすることが出来るという人間の傲慢。

ラストでcreationが
"Destroy your creation. Only you can do it!"
と博士に呼びかけるシーンは
"Love me. I just wanted you to love me"
と訴えているようにも見える。

劇場で観たいなぁ。
それにしても週末に行ってもガッラガラだった。
もったいないなぁ。

ナショナル・シアター・ライヴ2014
http://www.ntlive.jp/program.html



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by sk_miyuki | 2014-11-10 23:06 | 観劇 | Trackback | Comments(0)

早期退職して50歳から演劇生活中の阪口美由紀のブログ。稽古・公演・映像・観劇メモ。2017年からシェイクスピアの原語上演やシェイクスピアを原語で読む会にも関わっています。ぼちぼち始めたモノ減らしや健康のメモなども。年々物忘れ力が上がるので備忘録ブログです。


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