人情噺『端敵★天下茶屋』:劇団扉座
2012年 10月 29日
劇団扉座でした。今回は座・高円寺
仕事を辞めて自分が演劇生活始めてから
皮肉なことにチケットが高すぎると観られないなんていう、あんれまあ、ってこともあるのですが
扉座さんは前売と当日が同料金なんで思い立ったら行きやすいのと
4500円っていうギリギリな(←何の?私の?)設定。
あ、公式サイトはこちらですので
詳しくはそちらを見ていただくとして。
上手いですねぇ、とにかく、役者さんが。
当日券は最前列の上手側はじっこと後ろから2、3列目があったのですが
今回は迷った末に最前列。
全体は見渡せないし、時々役者さんの表情が見えないし、
とは思ったけど今回は近距離で飛び散る汗とか飛沫とかが見たかったんですね。
見えました、しっかりと。
あ~上手いなぁ、プロだなぁと思った。
なんだろなぁ。熱、かな?
空間を制圧する力かな?
命がけで台詞言ってるなぁ、って思えるもんね。
六角さんは『相棒』でファンになったんだけど
この舞台では小悪党っていう、もうぴったりの役どころでそれを
朋友の横内さんが書くんだから面白くないわけないんだよね。
ほんと、悪いんだ、こいつが。
でも、悪さするたびに
「ああ、悪いヤツだな、こいつ。」
「それ、やっちゃうのかよ?」
「ひどすぎ、ひどすぎ。」
なんて思いながら一緒にドキドキして共犯者みたいな気分なんだよね。
で、この小悪党にだまされちゃう下積みの脇役専門悪役専門の、でも芝居が好きでたまらない
役者たち(を演じる役者たちね)がまたいいんだ。
で、六角さん演じるワルが死んでからも公演の邪魔をしようというシーンがあるのですが
その妨害でSEが出なくなった時に岡森さんと有馬さんが自分でマイクで音作るの。
これぞ役者の底力、って感じ。
中原さんとか出てきただけですごい迫力だし
伴さん、え、そこ?!ってとこもツボでした。
なんで、ここ?ってとこでウルっときました。
今回は自分の
なんで、演劇やってんだよぉ、みんな、っていう・・・
気分にひとつ答えをもらったみたいな舞台でした。
当日パンフの六角さんと横内さんの対談(?)の中で
六角さんが最後にこう言っています。
「30.40代の頃は、自分が良く見えたり、面白いことが出来ればいいと思ってた。だけど、最近ね『この芝居が面白ければいいかな』って思うようになってきた。気づくのが相当遅かったと思うんですけど(笑)自分も誰かに渡す芝居をしたいですね。それが劇団に自分がいる意味のひとつとして、正しいことなんじゃないかな。」
それから今回の公演に
趣里(客演)
と出演者の最後に書いてあって、あまり気にとめていなくて
パンフに
「父が六角さんとドラマで共演していることもあり・・・」
を読んでも全くピンとこなかったのですが
水谷豊さんの一人娘さんなんですね。
芝居でもカーテンコールでも劇団員さんたちからたいせつにされてるんだなぁという空気を感じましたが
そのことを知らずに見てよかったです。
若くてかわいくて折れちゃうんじゃないかと心配なほど細くて
すっごいがんばっているな
って応援しちゃいたくなる高感度の高い女優さんでした。
出演:岡森諦、六角精児、中原三千代、有馬自由、伴美奈子、高橋麻理、累央、鈴木里沙、高木トモユキ、江原由夏、新原武、松本亮、趣里(客演)
脚本・演出:横内謙介